吉徳 雲井雛
吉徳 【雲井雛】
『雲井』とは雲のあるところ、すなわち遠く手が届かないことから、
雲上人である天皇を表現する言葉です。
天皇陛下ご即位の際の御装束を参考にし、
お人形に着せ付けました。
男雛は、黄櫨染(こうろぜん)
櫨の木の若芽の煎じた汁に、酢や灰などを混ぜて染めたものを
「黄櫨染」(こうろぜん)といいます。
色は赤茶で中天の太陽を表す色と伝えられ、天皇陛下が晴れの
装束に着用なさる袍の色と定められています。
又、桐竹鳳凰模様は高貴と瑞祥を表す紋様で、鳳凰が桐の木に
留まって鳴く時、聖王が生まれるという伝えから、桐も鳳凰も
天皇家だけが用いることの出来る紋様でした。近世になり、
麒麟が加えられ天使の徳を顕わしています。
サイズ: | 136㎝×172㎝×195㎝ |
価格: | お問い合わせください。 |
スタッフコメント
七段飾りの最上段は、内裏(だいり)雛です。
天皇・皇后をかたどった男女一対の雛人形です。
二段目は、男子禁制の宮中において、お姫様に
仕える官女(かんじょ)です。
官女は、現代のお手伝いさんという感じではなくて、
作法などのたしなみや和歌・漢文などの教養もある、
多彩な才能を持つ女性たちです。
雛人形での三人官女はお内裏様と御雛様をサポートをする
役割があります。
雛人形の三人官女のうちの一人は、お歯黒をして
引眉(眉毛が描いてない)になっています。
これは江戸時代の既婚の女性独特の化粧方法です。
三段目には五人囃子(ごにんばやし)。
江戸時代の能楽の囃子方(はやしかた)を人形化に
したもので、日本古来の上座が向かって右側だった為
お殿様より遠い左側より楽器の音が大きい順番に
なっています。
4段目は、随身(ずいじん、ずいしん)です。
平安時代に貴族の外出の際、警護の為にお供したお役人です。
背には弓矢を背負い刀を腰に差しています。
実はお殿様から見て左大臣・右大臣になる為
正面から見ると逆になり、右側の左大臣が年長者で
左の右大臣が若者となります。
5段目は、「仕丁(じちょう)」と呼ばれ、庭掃除など
雑用などを行う御所で働く人たちです。
“泣き上戸”
“笑い上戸”
“怒り上戸”
といわれる3人組です。
表情豊かな3人組には、お嬢さんが情緒豊かな子に
育つようにという願いが込められています。